【成澤院長のちょっとひと休み①】

〜心房細動と納豆〜
不整脈のなかでも、時には死に至る病となるものの中に心房細動があります。
これは、心臓を構成する4つの部屋(左右の心房と心室)のなかで心房という部屋がけいれんを起こしたようになっている状態をいいます。
こうなると心房の中で血液の流れの中に乱れが生じ、心臓の中で血液が固まってしまうことがあるのです。
その固まった血液(血栓)がふとした拍子にはがれてしまうと、左心房にできた血栓なら左心房から左心室に流れ、そこから全身に送られてしまいます。
その血栓が脳に流れると、広範囲の脳梗塞を起こす原因になるのです。
これまではこのような状態になることを予防する薬はワルファリンという薬しかありませんでした。
この薬はビタミンKを阻害することによって、血液を固まらせる凝固因子という物質を作りにくくする作用で血液をサラサラにしています。
ですから、ビタミンKを多く含む食物は食べてはいけない薬なのです。
ビタミンKを含む食品は、主に納豆が有名でした。
ゆえに、無類の納豆好きも、ワルファリンを内服するようになると、納豆が食べられなくなるという悲劇が起こっていました。
しかし最近、納豆を食べても良いという、血液を固まりにくくする新しい薬が各社から出され、臨床の場でも多く用いられるようになってきました。
納豆が大好きで、この薬の登場を心待ちにしていた患者さんもいます。
金額はかなり高価なのですが、「何としても納豆が食べたい」ということで新しい薬に変更した方もいます。
納豆好きには朗報です。

2016年09月01日