検査項目説明

基準判定(基準値)について…

各検査の基準値は健康と考えられている多数の人の平均的な検査数値で通常は健康な人の集団の95%の人が入るように設定してあります。したがって健康な人でも5%は基準値から外れ異常値と判定されることになります。つまり集団的傾向から異常値みなされても各個人にとっては病的な意味を持たない可能性があります。したがって検査結果の意味づけには、毎年の健診等で積み上げられた検査データの比較(個人基準値)も必要になります。検査結果をご覧になって、普段からご自身の検査値がどの程度にあるか把握しておくことが健康管理に役立つと思います。*各検査は個々に判定しているわけではなく、それぞれの検査結果を総合的に判定しております。また健康診断の結果で異常がみられなくても自覚症状等がある場合には早急に受診されることをお勧めいたします。

【判定区分①】(一般健診受診のかた)

A:異常なし 今回の検査範囲では異常所見が認められませんでした。
B:軽度異常 わずかに基準値を外れていますが問題ないものと思われます。
C:要経過観察 基準値から外れた所見を認めますので経過観察が必要です。
D:要医療 異常所見を認めますので医療機関を受診して下さい。
F:治療中 今回の検査結果を主治医にお持ちいただき、治療指導を続けて下さい。
 【判定区分②】(協会けんぽ*1での受診のかた)

*1 全国健康保険協会 一般健診・付加健診の意

1:異常なし 今回の検査範囲では異常所見が認められませんでした。
2:軽度異常 わずかに基準値を外れていますが問題ないものと思われます。
3:要経過観察 基準値から外れた所見を認めますので経過観察が必要です。
4:要医療 異常所見を認めますので医療機関を受診して下さい。
5:要精密検査 異常所見を認めますので精密検査を受けて下さい。
6:治療中 今回の検査結果を主治医にお持ちいただき、治療指導を続けて下さい。

01.身体測定・BMI

BMIは体格を把握するための指標(体格指数)です。Body Mass Index の頭文字で国際的に使用されている指標です。日本人はこの値が『22』のとき最も病気になりにくいと言われています。 計算方法:体重(kg)÷身長(㎡)で計算します。

02.尿検査

【尿糖】 尿中に糖が出ているかを調べる定性検査です。
【尿蛋白】 尿中にもれた蛋白を調べる検査です。正常値は陰性(-)です。腎臓や尿管などに障害があると陽性になりますが、激しい運動や寒さ、精神的な興奮やストレスなどによっても尿中に蛋白がでます。
【尿潜血】 血尿の有無を調べる検査で、血尿は膀胱炎、結石、尿道炎、腎炎、腎盂炎及び腫瘍等によります。陽性の場合は尿沈渣を調べる必要があります。生理中の女性では月経血が混入する場合があり、その場合は陽性となり判断できません。
【尿沈渣】 腎臓や尿管などの病気の疑いを調べます。女性は月経血の混入がある場合は検査の意味がありません。(赤血球)結石、腫瘍、腎炎、膀胱炎等。(白血球)尿路感染症(主として腎炎、膀胱炎等)。(細胞)尿道炎、尿路結石、腎炎、膀胱炎等。正常な女性でもみられる場合があります。(細菌)尿路感染症(腎炎、膀胱炎等)。
【尿アミラーゼ】 主に膵臓と唾液腺の疾患を調べる検査です。血清アミラーゼとの組合せで疾病判断の参考にします。
【尿ウロビリノーゲン】 主に肝機能をみる検査の一つとして用いられています。正常な人でも一定量は尿に排泄されており正常値は(±)です。

03.聴力検査

オージオメーターを使用し、1000Hz、4000Hzの純音を聞き取る検査です。聴力は加齢によって喪失されるのが一般的ですが、騒音障害によっても引き起こされ、特に4000Hzで顕著に認められます。

04.血圧検査

心臓の収縮によって血液が全身に送り出される時に血管におよぼす圧力のことを血圧といいます。血圧は常に一定というものではなく精神的緊張や運動、食事などの影響を受けたり日内変動もあります。安静時に測定するようにします。高血圧の場合には脳出血、脳梗塞、心筋梗塞や腎疾患などの発生率が正常な方に比べ高くなります。

05.眼底検査

眼底の動静脈や網膜の状態をみる検査です。網膜などの眼の病気、高血圧、糖尿病を知ることができます。

06.心電図検査

心臓の筋肉は、収縮拡張をする際に微細な電流を発生し、この変化を記録したものを心電図といいます。この電気的変化から心臓の動きを調べ、心臓の病気の発見と診断、病状の把握をします。心筋以外の臓器の疾病でも心電図に異常があらわれることがありますが、診断することは困難である場合が多いです。心電図に異常がない場合でも心臓に異常がないという事にはなりません。

07.超音波検査

腹部超音波検査は、主に胆のう、肝臓、膵臓、腎臓、脾臓などの病変をみる検査です。脂肪肝、胆石、胆のうポリープ、肝硬変、癌その他の腫瘍性病変の発見に役立ちます。

08.肺機能検査

スパイログラフィーによる換気の検査を行います。肺活量や強制呼気量を測定し、換気障害の有無や換気機能の型を知ることができます。

09.大腸がん検査

消化管からの出血の有無を調べます。陽性(+)の場合は下部消化管の潰瘍、腫瘍などが疑われます。

10.胸部X線撮影

【単純撮影】胸部にX線を照射して写真撮影を行い、肺や心臓、縦隔などの病気について情報を得ます。肺の病気、心臓の病気等の発見に役立ちます。

11.胃部X線撮影

食道、胃、十二指腸をバリウムを用いてX線撮影します。潰瘍、ポリープ、癌などの発見に役立ちます。

12.末梢血液検査

【赤血球数】 貧血症(鉄欠乏性貧血、悪性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血等)や多血症の指針になります。
【血色素量】 貧血症(鉄欠乏性貧血、悪性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血等)や多血症の指針になります。
【ヘマトクリット】 貧血症(鉄欠乏性貧血、悪性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血等)や多血症の指針になります。
【白血球数】 炎症や血液の病気によって増加します。激しい運動やストレス、喫煙等が原因で増えることがあります。
【血小板数数】 止血機能に関する血液成分です。血液の病気や肝機能低下などで減少します。
【白血球像】 白血球は好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球に分けられ、それぞれの割合と他の数値とを併せて診断します。
【MC検査】 赤血球数・血色素(ヘモグロビン)量・ヘマトクリット値の数値から計算して求める平均赤血球恒数。貧血の指針になります。

13.肝・胆道機能検査

【AST・ALT】 肝臓の異常に敏感に反応しますが、心筋や腎臓、筋肉などにも存在するため、心筋梗塞や腎疾患、筋疾患などでも上昇します。ALTは肝臓に比較的特異的です。
【γ-GT】 肝胆道系、膵疾患で上昇します。アルコール性肝障害では他の肝機能検査が正常でも、この値が高くなる事があります。
【ALP・LAP】 ほぼ全身の臓器に分布していますが、主に肝臓、胆道系や骨に関する疾患で上昇します。他の検査と組合せて総合的に判断します。
【LD】 心筋、肝、骨格筋、腎や癌組織など様々な臓器に存在する為、他に検査とに組合せで判断します。
【コリンエステラーゼ】 肝障害、消耗性疾患等で低値となります。糖尿病、腎臓疾患、甲状腺疾患などで高値を示します。
【総ビリルビン】 肝臓、胆道系疾患で上昇する他、溶血(赤血球が壊れる事)等によっても上昇します。

14.脂質代謝検査

【中性脂肪】 肥満、高カロリー食、多飲酒などで上昇します。高値の場合、冠動脈疾患の危険性が高くなります。
【HDLコレステロール】 血管壁からコレステロールを除去する善玉コレステロールです。低値の場合、動脈硬化の原因となります。
【LDLコレステロール】 悪玉コレステロールと呼ばれ、高値の場合、動脈硬化の原因になります。
【総コレステロール】 脂質異常症の診断に用いられますが様々な疾患で異常値を示します。高値の場合、動脈硬化の原因になります。
【LD】 LDL-コレステロールと同様に高値の場合、動脈硬化の原因となります。
【β-リポ蛋白】 肝障害、消耗性疾患等で低値となります。糖尿病、腎臓疾患、甲状腺疾患などで高値を示します。

15.糖尿病検査

【血糖・HbA1c】 高値の場合、糖尿病の可能性があります。さらに詳しい検査が必要です。

16.膵機能検査

【血清アミラーゼ】 高主に膵臓の疾患で異常になりますが、唾液腺の疾患でも上昇することがあります。

17.炎症検査

【CRP】 体内に急性の炎症や組織の損傷があるときに増える蛋白の一種です。

18.関節リウマチ検査

【RF】 高値の場合、リウマチや肝硬変、膠原病などが疑われますので詳しい検査を受けて下さい。

19.尿酸検査

【尿酸】 高値になると痛風、尿管結石の原因となります。また、高尿酸血症は冠動脈疾患の危険因子です。

20.腎機能検査

【尿素窒素】 主に腎機能低下の指標になります。
【クレアチニン】 腎機能が低下したときなどに上昇します。
【eGFR】
(推算糸球体濾過量)
腎臓に老廃物を尿へ排泄する能力がどの程度あるかを示しており、
この値が低いほど腎臓の機能が悪いということになります。

21.ウィルス性肝炎検査

【HBs抗原】 陽性の場合B型肝炎、B型肝炎ウィルスキャリアの可能性があります。
【HBs抗体】 HBs抗原が陰性(-)でHBs抗体が陽性(+)の場合、HBワクチン接種後及びB型肝炎既感染の可能性を示します。
【HCV抗体】 陽性(+)の場合、C型肝炎の可能性があります。
【HCV-RNA】 HCV抗体陽性(+)の場合、ウィルス遺伝子のキャリアの可能性があります。

22.梅毒検査

【TPHA】 梅毒の原因となる細菌を検出する検査です。陽性(+)の場合、詳しい病態の検査を受けて下さい。
【RPR】 梅毒の判定を陰性(-)・陽性(+)で示します。また治療の効果を確認する検査で、治療が完了すれば(-)の反応を示します。

23.甲状腺機能検査

【FT3・FT4】 高値の場合は甲状腺機能亢進症、低値の場合は甲状腺機能低下症が疑われます。
【TSH】 高値の場合は甲状腺機能低下症や慢性甲状炎などの疾患が疑われます。低値の場合は甲状腺腫瘍やバセドウ氏病が疑われます。

24.血清蛋白検査

【総蛋白・アルブミン】 肝臓や腎臓の疾患、悪性腫瘍などで変化がみられ、栄養状態の指標にもなります。
【A/G比】 血清中のたんぱく質を構成しているアルブミンとグロブリンの比率を表したものです。肝臓に異常があると値は低くなります。

25.胃疾患系検査

【ペプシノゲン】 胃から分泌されるペプシンという消化酵素の元になる物質です。約1%が血液中に存在します。ペプシノゲンは構造的に大きく分けてペプシノゲンⅠとペプシノゲンⅡに分けられ、ペプシノゲンⅠは主に胃酸を分泌する領域から分泌され、ペプシノゲンⅡは胃全体から分泌されます。両方の血中濃度を調べる事により胃の状態を推測することができます。要精密検査の判定を受けた方は内視鏡検査等をお勧めします。
【ヘリコバクターピロリ抗体】 値が高いとヘリコバクターピロリ菌による胃・十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎などの疾病に罹りやすくなります。

26.心筋・骨格系検査

【CK】 骨格筋、心筋、脳等に存在する酵素です。骨格筋疾患、心筋梗塞等で上昇しますが、激しい運動でも上昇します。

27.腫瘍マーカー検査

【CEA】 値が高いと腺癌(大腸癌、直腸癌、胃癌、膵癌、胆道癌、乳癌、肺癌、甲状腺髄様癌、婦人科臓器の癌)が疑われます。
【CA-19-9】 値が高いと膵癌、胆道癌、大腸癌、直腸癌、胃癌、肺癌、卵巣癌、子宮癌などが疑われます。
【AFP】 値が高いと肝臓癌が疑われます。
【CYFRA】 値が高いと肺癌(扁平上皮癌、腺癌)、咽頭癌、膀胱癌、膵臓癌、消化器系の癌等が疑われます。
【SCC】 値が高いと子宮癌、肺癌、食道癌、舌癌、咽頭癌、甲状腺癌などが疑われます。
【CA125】 値が高いと卵巣癌、肺癌、胆道癌、膵癌、消化器癌などが疑われます。

28.前立腺検査

【PSA】 前立腺癌の腫瘍マーカーです。加齢とともに上昇します。値が高いほど癌の可能性も高くなりますが、ただし、前立腺肥大症や前立腺炎、前立腺結石でも高くなりますので専門医に調べてもらうことが大切です。

29.電解質・無機質検査

【ナトリウム/カリウム/クロール/
 マグネシウム】
各種電解質を調べます。
【Ca・P】 甲状腺、副甲状腺、腎臓等の疾患で異常値を示します。
【Fe(鉄)】 低値になると鉄欠乏性貧血などの原因となります。胃腸疾患、血液疾患などの検査を行って下さい。