「睡眠負債」

 あなたにとって適切な睡眠時間はどれくらいでしょうか?自分なりにこれくらいというのはあるかもしれません。最近、「睡眠負債」という言葉が話題になっていますが、睡眠が慢性的に不足している状態のことを「睡眠負債」を負っていると表現します。睡眠が不足しているとだんだん負債としてたまって、日中の集中力低下や判断力低下が発生し、仕事の質が落ち事故
などが起こりやすくなります。
 人それぞれ、適切な睡眠時間が違うので、一概に1日4時間睡眠だから「睡眠負債」を負っているとは言えません。一つの目安としてゆっくり眠れる休みの日に平日の平均睡眠時間よりも2時間以上多く眠れる場合には「睡眠負債」を負っていると考えて良いでしょう。「睡眠負債」を防ぐ方法ですが、毎日、少しずつでも睡眠時間を長くとることはもちろんのこと、なるべく質の良い睡眠を取ることが重要です。寝始めの1時間半にいかに深い睡眠がとれるかが勝負と言われます。深い睡眠をとるためには、光と体温の調整がポイントです。朝、太陽の光の刺激で体内時計がリセットされ、夜の眠気を引き起こします。寝る前にスマホなどの明るい光を見ると、体内時計に狂いが生じ睡眠の質を低下させると言われています。体温は、寝るときには深部体温と言われる体の内部の温度が低下すると眠りやすくなります。
室温、衣服の調整や風呂の入り方などで体温をうまく調整することでよい睡眠を得ることができます。
厚生労働省では「働き方改革」の一環で、睡眠時間を確保できるようにするために終業時間と次の日の始業時間の間に一定以上の間隔を開ける「勤務間インターバル制度」という考え方を推奨しています。努力義務として法制化する動きもあります。会社としても、事故や病気を防ぎ良い仕事をしてもらうために、従業員の睡眠について考えることが求められるようになってきています。

医療法人社団 清水橋クリニック 労働衛生コンサルタント 医師 古川 泰

挿絵:special thanks gallery ogiwara

2017年09月15日